パリの夏休み

皆さま、激暑の中、如何お過ごしですか?

パリも暑さが厳しかったですが、この2日は少し気温が下がりまして、ホッと一息ついています。

 

暑さのために、庭の葡萄の房は、例年よりも大きいです。

来月になったら、食べられるのではないかと思います。

 

パリは、コロナ感染者がまた増え続けております。

8月10日辺りから、3日連続で2500人となり、先日は、3000人以上の感染者となり、最近は、周囲を警戒して居ります。

スーパーなどに出かける時は、皆がマスクをしていますから一応安心ですが、近所の方がご機嫌伺いに来て下さる時は、マスクをしませんから、なるべく距離を置くようにしています。

 

それでも、車に乗せて下さる時は、しっかりマスク姿ですから安心です。

自宅の近くにもスーパーはありますが、マンモスのスーパーに行けば、何でも揃いますので、週1の間隔で乗せてもらっています。

 

日本でも、地方ですと、ご近所の方と声を掛け合って、ショッピングに行くことはあるのでしょうが、私の住む東京では、パリのような人間付き合いはありません。

私共が日仏を行き来するようになってからは車の保管が難しいため、車を持たなくなったこともあり、周囲の人たちが、「今日の午後買い物に行きますから、ご一緒致しませんか?」と声を掛けて下さるので、とても有難いです。

時には、買い過ぎてしまう事も多々ありますが…

 

ところで、ピアノを弾くのに、新しい曲をパリで始めるとそれ程違和感を感じませんが、日本で、しばらく練習した曲を引き続きパリの我が家で練習を致しますと、音の余韻や残響が違いますので、耳に聴こえてくる響きが全く違います。

一ランク上の響きになり、少し満足する事が出来るのです。

ヨーロッパの家や気候が、クラシック音楽の響きによく似合っている、という事なのだと思います。

 

日本で練習するときは、どうしても「ピアノを弾く」というイメージで音楽を奏でますが、パリの家に戻りますと、音の余韻が乾燥した空気の中に響き渡りますので、「弾く」というイメージではなく、「語り合う」と言った表現の方が似合うような、柔らかな音色の流れを感じながら、音楽で表現している、と言った感じです。

環境により違う事は分かりますが、「弾く」という動作をしなくても、自然に音の調べが鳴り響いてくれることは、耳にとても心地よく、幸福感を味わう事が出来ます。

 

渡仏当時は、フランス人の子供たちの演奏を聴きました時に、それ程技術的に優れていなくても、音色の優しさや温もりを感じた時に、すべてを「お国柄の感性の違い」と考えていましたが、ヨーロッパの空気が「感性」を演奏で引き出しやすい環境であるからこそ、ホッとさせられる演奏を聴かせてくれたのかな、と思います。

以前フルートの日本人留学生が、「フランスの家って響きすぎで日本で演奏するのとでは全然違うわ。」と戸惑っていましたが、日本の湿度の中で演奏する事に慣れてしまっていると、ヨーロッパでの演奏コントロールが難しかったのだと思います。

 

音を出さなければならない、と思いながら出すのと、気持ちのままを音に託して表現するのとでは、2時間のコンサート時間の疲労も全く違います。

ピアニストは、ホールの舞台に設置してあるピアノと短時間で仲良しになって奏でる必要がありますから、自分の楽器を持参する弦楽器奏者よりももっと大変です。

弦楽器奏者は自分の楽器だから楽でしょう、と思われるでしょうが、やはり残響の長さにより、弾きやすいホールもあれば、とても乗りが悪いホールもあります。

 

次の音を弾こうと思った時に、前の音の響きが程よく耳に流れていますと、その残響を利用して次の音が生まれてきますが、音が自分が希望している長さまで伸びずに切れてしまうと、次の音を奏でる気持ちや流れを自分で感じにくいところから、音を作り出さなければなりませんので、何か今日の演奏は、自分が求めている音楽ではない、と弾きながら感じてしまいます。

アーティストは、どのような条件でも、その環境の中で、気持ちを入れて最良の演奏をしたいと願って演奏を致しますが、乗りにくいホールでは、満足度は低くなってしまいます。

 

その点を考慮しますと、ホール自体は、日本ほど素晴らしいホールが揃った国も少ないと思いますが、ヨーロッパで演奏をする方が、「耳に優しい音色」を見つけやすい環境であることは確かです。

 

ですから、毎日、この空気を大切に、自分が求めている美しい音はどのような響きを持つのか、とよく考えながら、練習を進めたいと思います。

 

お料理は、「舌」で感じることを重視されますが、音楽は、やはり最終的には、手の技術ではなく、「耳」で美しさを見つけられる事が、何よりも大切な事だ、と実感します。

 

今年は、ミュージカル「アニー」の地方公演がすべて中止となりましたので、今夏は、孫も例年よりもミュージカルの練習は少ないですから、週2で、ピアノと歌を日仏でスカイプ電話を利用しながらしています。

まだまだ役立っていること、楽しませてもらっている事は有難いと思っています。

 

では、しばらく猛暑が続くと思いますが、水分補給をして、熱中症にはお気をつけ下さい。

 

くれぐれもお体を大切になさいませ。

 


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