今日は気持ちのよい1日でした。
昨日は洋服の話から最後は”歌”についての話になりましたが、日本はイタリア語の「ド・レ・ミ・ファ・ソ・ラ・シ・ド」を学校教育では使っています。
音楽専門教育を受ける場合、ドイツ音名の「C・D・E・F・G・A・H・C」で勉強していると思いますが、フランスでは、日本の学校教育で使用しています、「do・re・mi・fa・sol・la・si・do」で歌います。
しかし、日本の子の方がはるかに歌いやすく速度が速くなっても問題ないですし、リズムが崩れにくいのでいいのですが、フランス人が歌うと音階練習がとても大変そうに聞こえます。
それはなぜか分かりますか?
問題は、「re」と「sol」です。
8分音符で「ドレドレ、ミファミファ、ソファソファ、ミレミレ、ドーーー」を歌う場合に、ドレドレの小節とミファミファの小節に難所があります。4分音符の場合は大丈夫なのですが・・・
日本人は、普通に「レ」という発音をしますが、フランス人の場合、「re」の「r」の発音を喉の奥で発音しますので、少し余分に時間が掛かってしまいます。
また、「sol」の場合は、日本人だと単純に「ソ」と発音しますので、簡単に出来ますが、「o」のあとに「l」という「エル」の発音があるので、舌を上あごにつけるのです。
そうすると必ずそこの場所が遅くなってしまうのですね。
これは何か改良できないものなのか、いつもソルフェージュの時に考えてしまいますが、発声練習のように一応階名で歌えるようになれば、「ア」や「オ」で歌う方がリズムが正確になります。
こういう言語の歴史というのは簡単に変えられないものですから困りますね。
日仏家庭では、学校ではフランス人と一緒に「r」と「l」を皆と一緒に歌っていますが、ピアノのレッスンでする時には、日本式に「レ」と「ソ」で歌っています。
生徒も楽に歌える!と大喜びです。
そういえば、「火垂るの墓」の時に、清太が「こいのぼり」を歌う時に、「ハニホヘトイロハ」の音名で歌っていますが、今の人たちにとっては難しいでしょうね。
イタリア人の「r」の発音は、巻き舌で口の前で発音するので、フランス人のように喉の奥を使いませんので、問題ないですね。
2007年のパリのロン=ティボーコンクールの折に、田村響君が優勝しましたが、審査員が毎回田村君の氏名を読み上げるのに大変な苦労をしていました。
日本の名前は言いづらいのですですが、特に「H」は読まないので違う名前に聞えてしまいます。
まず名前が「ヒビキ」ではなく、「イビキ」になります。普通に「イ」を出すなら簡単なのですが、フランス人が「Hi」を発音するのには力んで「イ」と言うのです。
そして、苗字の「タムラ」を「タムラ」と発音しますが、悪い事に最後の「ラ」が「Ra」になっていますので、喉の奥で発音します。
日本人が発音すれば、「ヒビキ タムラ」と簡単にいくところが「イビキ タムラ」の2か所の難所発音に大変苦労していました。
「YAMAHA」も「ヤマア」になりますし、何か聞いていると、「YAMAHA」の事を言っているようには渡仏してまもない頃は思いませんでした。
以前、フランスに「まなみちゃん」というお名前の日本人がいらしたのですが、フランス語で「私の名前」というのを「mon ami」(モナミ)と言います。
本当は名前の「ami」は女性名詞なので、本来なら、「ma ami」になるところなのですが、母音が重なる場合は、発音しにくいという事で、男性名詞につく「mon」が前につきます。
ですから、何と言う名前かと聞かれて、「MANAMI」(マナミ)だと答えると、「モナミでしょう?文法的にフランスでは、マナミとは言わないでモナミというのよ。」と言われて困ってしまったそうです。
言語は難しいですね。
でも、「ドレミファソラシド」は日本人で本当によかったと思います。
苦労せずにすみますから、本当に有難いです!
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