レ・クロッシュ リサイタル(東京公演) を終えて

皆様、急に暑くなりましたが、お元気でいらっしゃいますか?

レ・クロッシュの東京公演のリサイタルは、5月16日 (金) にルーテル市ヶ谷センター ホールにて開催致しました。
お越し下さいました方たちに、この場を借りましてお礼申し上げます。
お忙しい中、本当に有難うございました。

ルーテル市ヶ谷で前回リサイタルを開催したのが、2002年ですから、12年前になります。
信じられないような速さで月日が過ぎていきます。

今回は、バッハ無伴奏チェロ組曲の中でも5番は長いですし、リヒャルト・シュトラウスのチェロとピアノのためのソナタは、25分かかりますので、結局2時間10分のリサイタルとなってしまいました。
長時間のリサイタルにも関わらず、最後まで聴いて下さって嬉しかったです。
恐らく聴衆の中で最高齢だと思いますが、96歳の伯母が車いすで聴きにきてくれましたが、「全く疲れなかったわ。」と答えて下さって、とても嬉しかったです。

コンサートには、いろいろハプニングというのは付き物です。
コンサート当日に高熱を出したり、前の公演でインフルエンザに移されたり、本番中にチェロの弓の毛が取れてしまったり…
ピアノは、大分前の事ですが、サントリーホール ブロンズホールでのリサイタルの折に、弦が切れてしまっって大急ぎで調律師さんに曲間で直してもらった事もありましたし、湿度が高いために、調律をしてもすぐ音が低くなってしまった事も…、12年もコンサートを続けていると色々な事があります。

コンサート活動12年間で、もう250公演近くコンサートをしているようです。
その間には、本当に色々なハプニングがあるのは水物ですから当たり前ですが、それでも、その都度、ハラハラさせられます。

今回のハプニングは、舞台に“蚊”の登場です。
開演前に外からお客様と一緒に入ってしまったのでしょう。
舞台だけが明るくなり、開演になりましたが、譜めくりの椅子に座って「これはまずい!」と思いました。
蚊が、ブンブン舞台の上を飛び回っているのです。演奏が始まりましたので、パチパチたたくわけにもいきませんし、どうしようかしら…と思っていたら、案の定、ピアニストの足にちくり!
まさか蚊に刺されるなど予想もしていないので、薬も持っていませんでした。

取りあえず、一曲目が終わったあとにホール事務局に連絡しましたが、「どうすることも出来ません。」との対応です。
蚊の対策など急に言われても無理なことですね。

2曲目のバッハ無伴奏チェロ組曲でもブンブン周囲を回っていて、何度も手の甲を刺されそうだったようですが、何とか刺されずに済んで舞台そでに戻ってきました。
一曲目の折に刺された娘は、足の痒いまま舞台に上がって蚊の心配をしながらの、「イタリア協奏曲」。
演奏者よりも、ハラハラドキドキで心臓が破裂しそうでした。
「どうか蚊に刺されませんように、蚊が遠くに飛んでいきますように。」と舞台裏でそれを祈るばかりでした。

客席で、傘を倒されたり、大きなくしゃみや咳が聞こえて、演奏中の場合は、ふと一瞬我に帰ることがありましても、蚊ほど長い時間回っているわけではないですから、意外と集中しているとその咳の音すらも感じないことも多いのです。
ところが、蚊がブンブンというのは、目の前を行ったり来たりしているので、どうしても集中度を欠いてしまうものです。

事務局から蚊取りが届いたので、4曲目からはピアノの隣に蚊取りを置いての演奏がはじまりました。
蚊取りの影響なのか、休憩時に、客席を明るくしたために、舞台から客席又はロビーまで出ていってくれたのでしょう。
休憩後からは、蚊から解放され、穏やかな舞台となりました。

生きているから色々な事が起きるのは当たり前ですが、何もこんな時に蚊が入ってこなくても…

それでも、多くの方たちから温かいアンケートやメール、コメントを頂き、大変うれしく思います。

舞台で演奏するたびに、成長すると信じている私です。

今後は、舞台に、ゴキブリやねずみが登場してもへっちゃらになるかも知れませんね。

何でも経験で強くなるのですから、なるべく多くの経験を積んだ方がよいという事に致しましょう。

レ・クロッシュのファンの方たちに心から感謝申し上げます。

まだしばらくはコンサート活動が続きます。
5月30日 (金) 午前10時半より、東京都八王子市南大沢文化会館 交流ホールにて、レ・クロッシュリサイタルを開催致しますので、どうぞ、お越し下さい。

では、残り少ない5月を楽しみましょう!

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