すっかり春めいてまいりましたが、皆さま、お元気でお過ごしですか?
相変わらず忙しい生活をしています。
今夜、レ・クロッシュのパリでのコンサートが終わり、ホッと一息ついています。
これから、荷物整理と家の掃除や芝刈りなど、順序良くしなければなりません。
先週末に孫のコンクールに付いていきましたが、娘や息子の子供時代に戻ったような気持ちで参加者の演奏を聴いていました。
やはり、昔と変わらず自分で楽しんで弾いている子供たちがとても多かったです。
フランスのコンクールは、とにかく主催者や参加者、そして審査員も皆がリラックスしていて、穏やかです。
これはお国柄なのでしょうね。
主催者が楽しくおしゃべりで、参加者の気持ちを優しく包んでくださるのです。
コンクールに参加する子供たちと親御さんは緊張していると思いますが、まず、ニコニコ対応して下さるので、とても気持ちが楽になります。精神安定剤のような役目をして下さいます。
そして、今回のコンクールでは、参加者と付添人は、自由に、コーヒーや紅茶、アップルパイやチョコレートパンとクロワッサンを一日中、審査の発表時間の夜まで、係の人が気前よくサービスして下さるのです。
そこで、はじめて知り合った親同士が、どこから参加されたのですか?、どのレベルでの受けられるのですか?、何の曲を弾くのですか?というような話題を、コーヒーを片手に話し始めるわけです。
とても和やかな雰囲気で、コンクールではなく、何かのイベントに参加したような気持ちでいることが出来ます。
このように、フランスのコンクールはリラックスしながら弾く事が出来たので、子供たちも長年続けることが出来たのかもしれません。
孫が、運よく、審査員満場一致の優勝したことで、ブルターニュの市長さんまで寄って来て下さったり、一緒に写真を撮りましょう、と声を掛けて下さいましたし、審査員たちからキスして抱きしめてもらったり、とにかくクリームみたいにとろけるほど、柔らかい穏やかな時間が流れるのです。
もちろん、もっと上級のクラスになれば、多少は変わりますが、入賞しない場合でも、「よく頑張ったね!」と我が子を抱きしめて、温かい眼差しを向けて、ホールをあとにします。
受賞出来た子供たちに、賞をもらわなかった親御さんたちから、温かい言葉を掛けられ、声援を送ってもらいます。
先程審査発表待ち時間に一緒にコーヒーを飲みながらお話した方などは、ニコニコ挨拶をして下さいます。
何だか、賞を逃した親御さんから優しい言葉を掛けてもらう事が、フランスでは普通の事なのです。
この世界は、もっと勝気でなければ渡っていけないのかも知れませんが、フランスのこのような空気が個人的には、大好きですし、子供のコンクールで目くじらたてても、子供によい影響を与えるはずはないと思います。
久しぶりに、子供のコンクールに出掛けて、やはりフランスの人種は20年経っても変わっていない事を実感しました。
日本の方がずっと優れていることもたくさんありますが、このような穏やかな空気を感じると、このような空気の中で育ちますと、ノイローゼになったり、落ち込んで苦しんだりすることが少ないような気がします。
久しぶりに、爽やかな素敵なフランス人の一面を体験し、今後も見習いたいと思いました。
他人に対して温かく接する事が出来る人間は、とても魅力的です。
孫を育ててみて、歳のせいか、本当に自分自身が穏やかになってきたと感じます。
今は、ちょっとのミスなどで怒りたいとも思いませんが、若い時は、その辺のところが何か今と比べますとムキになっていたような気もします。
相手を思いやる優しい人格者を目指して、穏やかな人生を送りたいと思います。
では、残り少ないパリ生活を満喫したいと思います。
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