このまま寒さが戻らないで春になって欲しいと願っています。
庭にも小鳥が顔を出して遊んでいってくれるようになりました。
パリの街並みも一気に観光客が増えて、市内観光バスにもたくさんの人が乗っています。
ところで、コンサート会場には、パリでもご年配の姿が目につきます。
先日、サルガボーの会場の前には、白髪の方ばかりいらしてちょっと驚きでした。
でも、老夫婦が仲良く会場に向かう姿って素敵でとても絵になりますね。
おそらくパリでもあと20年もすると、コンサートに足を運ぶ人たちがぐんと減ってしまうような気がします。
いつも席について周囲を見渡しても、7割はご年配の方なのです。
今の時代の忙しさから解放されて、コンサートは最高の時間だと思うのですが・・・
もちろん、余暇の楽しみ方なんて自分の好きな事をすればいいんですから、コンサートだけではない事は分かっているんですが、一生懸命、コンサートが消滅しないように何か考えたい気持ちになります。
東京からアルザスに移り住んで、まず歩き方が変わってきました。
優雅に川のほとりをお散歩するご夫婦を見るにつけ、”優雅な歩き方”に憧れました。
そして自分でも意識して、時には何となく優雅っぽく歩いたりしていました。
それから、15年後にパリにくると、速度が東京程ではないですが、皆の速度が都会の足並みなのです。
音楽の流れも歩調と関係があるのでしょうね。
時代がせかせかして忙しくなると、音楽も賑やかで速度もはやいものが好まれるという事なのでしょう。
宮廷音楽の頃の歩き方と現代とは違うように、音楽の速度の感じ方も随分変化していると思います。
以前に、古楽を専門の方と話したら、その方は、音楽でも”古楽”にしか興味がなく、古楽器のコンサートにしか行かないし聴かない、とおっしゃって、そこまで古楽器にしか興味のない方にはじめて会ったので驚きました。
しかし、何かその人から出てくるもの、話しかた、素振りが、確かに今の人とはちょっと雰囲気が違って、リュートを専門だったのですが、古楽器が本当にマッチしていたんです。
そういう人は、何か取り残されているっていうのではないけれど、現代の中で生活するのに抵抗があって、息苦しいのではないかしら?と余計な心配をしてしまいました。
それでも、お話していると何かとても深いものを感じて、今の人にはない素敵な魅力と伝統文化がその人から伝わってきて、これからの人たちも、伝統芸術や伝統芸能を大切にしていきたいな〜と心から思いました。
“文化”って本当に人間国宝だと思います。
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