皆さま、お変わりございませんか。
パリの天候は、午後から雨が降りましたが、今晴れてきて、急に明るくなりました。
2月は、日本の受験シーズンで何となく落ち着きませんでした。
私がパリで小学校1年生の時にお父様のお仕事の関係で渡仏されたT君のレッスンをお願いされて、何と12年間もの月日が経ちました。
日本に帰国しましてからも、私が日本に帰国中だけのレッスンという事で心配でしたが、趣味で致しますので、とおっしゃるので、中学生まではずっとレッスンを致しておりました。
高校時代に、1年間のアメリカ留学を経験された後に、T君は、音楽科を志したいという気持ちに変化していきました。
高校2年の11月に、音大受験についての相談を受けました。
子供時代にソルフェージュ教育は、ピアノレッスンと並行してしておりましたが、音大受験となると話は違います。
T君は、「とにかく頑張ります。」との強い信念を持っていましたので、お手伝いをすることに致しました。
ピアノの他、ソルフェージュ全般に渡ってのレッスンを始めました。
スタートした時には、聴音や視唱がまだまだでしたので、基礎を固める事に力を注ぎ、ピアノもまずは基本をしっかり勉強するようにしました。
作曲科を専門で受験したい、という事でしたが、小学生の頃から、即興演奏が好きで、レッスンが終わると、「先生、僕いい曲作ったから聴いてね!」と張り切って自分で題名を言って、弾き始める姿がとても可愛かったのを記憶しています。
和声学は、すぐ専門の先生にレッスンをして頂くことになりました。
昨日、第一志望の音大の発表があり、見事合格され、それも特別な、「奨学金付き合格」だったそうで、本当に嬉しくて嬉しくてどうしようもない気持ちでした。
日本のT君のご家族とも嬉しい知らせのあとに、国際電話で喜びの声を聞く事が出来、大変幸せな一日でした。
根性があり、頑張り屋さんでしたが、それでもここまで本当によく頑張ってきたと思い、これからも益々羽ばたいて欲しいと思います。
昨年、小学校2年生の時からパリでレッスンを続けていました、Aちゃんも音大の打楽器科に、奨学生として入学し、張り切って力を磨いています。
Aちゃんも高校2年の時に、相談を受け、ピアノと声楽、そしてソルフェージュ全般のレッスンをスタートしました。
子供の頃からピアノもとても頑張るお子さんでしたが、ソルフェージュのリズムたたきの時は、いつも目を輝かせながら楽しんでしていました。
二人の共通点は、子供の時から好きだというものは、成長されてもずっと好きでいられるという事です。
それが素質というものなのでしょうね〜
そして、楽しいレッスンでなければ、心も目も活き活きしないので、怒らない和やかなレッスンを進めていきました。
芸術の感性を磨くためには、優しく丁寧に、そして飽きない工夫をしたレッスンを続ける事で、ずっと音楽と向かうことが楽しくて仕方ない、生活と切り離して考えられないようになるのだと思います。
私は、20代の時に幼児期から教えた生徒たちは、音大のピアノ科や声楽科などに入学されて、大学卒業後に久しぶりにお会いすると、「先生にしっかり音感教育をしてくれた事がいつも4年間トップでした!」と感謝して下さいます。
でも、当時と今のレッスンと大きく違うのは、20代の頃は自分でも必死だったせいで、今よりもゆとりがなかったように思います。
やることは一生懸命してあげたけれど、楽しい音楽の雑談や音色の違いなどの楽しいお話が少なかったのではないかと感じています。
前回のブログと同じことですが、年輪はとても大切な事です。
自分でずっと音楽と関わりながら生きてきた事が、生徒たちに優しく正確にレッスンをしてあげる事が出来るのですから…
音大受験生は厳しいレッスンではありますが、まず怒ることなどせずに、きちんと丁寧に音楽の勉強を進めていけば、どんどん開花するものだという発見がそこにはありました。
「音楽」は、本当に音を楽しむものです。
上手になりたいから、自分で厳しい訓練をすることは全く自然な事ですが、折角頑張ろうとする子供に、怒ったりすれば、委縮し、心を開いて音楽と向か合う事も出来なくなってしまうのです。
音楽は楽しい、という気持ちがあれば、無限大に育っていくものなのですね。
人生は、結果だけではないですが、結果が出るとやはり嬉しいものです。
嬉しい一日でした。
では、明日で2月は終わりです。
皆さま、どうぞご自愛下さい!
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