日本のミケランジェロ!

30度を超す日が多くなりましたが、皆さまお元気でいらっしゃいますか。

レ・クロッシュの東京公演が終わりましたので、5月20日から亡き父の大好きだった軽井沢の別荘の大掃除に参りました。
夏のバカンスを快適に過ごすためには、まず大掃除をする必要があるからです。
今年は母の体調が安定していますので、何とか夏に連れて行ってあげたいと思いましたが、一緒に出掛けて行っての大掃除は無理ですので、まずは今回先に行き、丁寧に磨いてきました。
高いところの作業は、夫と息子に任せました。

ところで、掃除がほぼ終わったところで、今回は、”日本のミケランジェロ”と呼ばれている、江戸末期の石川雲蝶という木彫りの名工の作品を一度は観たいと思い、新潟の魚沼市に足を伸ばす事に致しました。

何度か写真集を観て、永林寺の欄間の「天女の透かし彫り」の本物を是非観たい、と強く思い、石川雲蝶の彫刻を観に永林寺に行きました。
本当に人間業とは思えないような、想像以上の作品ばかりでした。

永平寺だけではなく、西福寺、龍谷寺、長恩寺などにも作品が残されています。

何故、永平寺にこれほど作品が残されているのかと思いましたら、ばくち好きな雲蝶に、仕事の依頼者である、当時の弁成和尚が、「雲蝶が勝ったら金銭を支払い、弁成和尚が勝ったら、永林寺の本堂一杯に力作を手間暇惜しまず制作する」と約束をし、結局、この賭けに弁成和尚が勝ちました。
そのために、1855年に、雲蝶は、永林寺に訪れたそうです。
13年という月日をかけて、欄間をはじめとする彫工や絵画など、100点以上残されていました。

全くただただそのすばらしさに驚きました。

そして、この1週間、新緑の自然にもたくさん出会えて、とても幸せでした。
露天風呂では、ゆっくり我が人生を振り返り、もっと知識を増やし、感動する経験をたくさんしたいと強く思いました。
そして、レ・クロッシュ リサイタルで感動して下さいましたファンの方たちに心から感謝し、今後、より素敵な演奏が出来ますように、心の栄養になるような経験をたくさん積んで欲しいと願いました。
「美」は、自然の美も大好きですが、人間の脳で作りだした人工の美も素晴らしいと思います。

うぐいすやカッコウの囀りを聞いていると、昔の人たちが、その美しい小鳥の囀りを楽器で演奏したくなったのかも知れません。
川の水音をじっと耳を澄まして聞いていますと、ピアニシモという音をどのように表現し、演奏すべきなのかが分かってきます。
自然から作りだされる音、野鳥や小鳥の囀りの音、これらは音楽の原点であり、より自然体で自然の音に近く表現できるようになることがどれだけ大切であるかをを学ばしてもらいました。

まさに、フランスの印象派そのものですね。

ラヴェルの「水の戯れ」は好きな曲ですが、技術を学ぶことはもちろんですが、水そのもの音を聴きながら、自分でその水の音を耳で聴いた音を脳で記憶してイメージしながら、より水に近い音を作り出していく作業に時間を掛けるべきだ、と感じました。

声も同じですね。
教会でオラトリオを聴く事がフランスに渡ってから大好きになりましたが、天を想像し、天まで届くような澄んだ声で歌って下さると、心にいつまでも響いてきます。

音楽を学ぶことは、美しく素晴らしい事ですね。
自分なりに研究を続けて行きたいと思います。

楽しい休暇を過ごす事が出来ましたので、すっかりリフレッシュ出来ました。

東京でも充実した毎日を送りたいと思います。

では、皆さま、今週も素敵な一週間でありますように!

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