環境と遺伝

皆さま、ゴールデンウィークが終わり、今週からお仕事やお勉強に励んでいらっしゃる事と思います。
人間は、リフレッシュすると力が湧いてくるものですよね。フランスの学校が、6週間ごとに一度2週間程のバカンスが年に3回と、夏だけは2ヶ月間ありますが、昔からずっと引き継がれているものなので、この休暇でしっかり休養を取らなければ病気になってしまう、と迷信のように思っているフランス人たちも多いようです。

日本からの音楽留学生は、逆に、ピアノを3日弾かないと力を戻すのに1週間掛かってしまうから大変なの、と日本の先生からの受け売りでそう思い込み、とても心配している学生さんたちもいました。
お国柄なのでしょうね〜
バカンスがあるから元気でいれる人たちもいれば、休みなくやらなければ力が劣ってしまうという事で日夜励んでいる人たちもいます。

何を信じて頑張るかは人それぞれだと思います。
環境で随分変わってくるのでしょうね。

ところで、今朝食事をしながら、テレビを観ていたら、「あさイチ」のプレミアムトークに、森山直太朗さんが出演しました。
私の学生時代は、直太郎さんのお母様である、森山良子さんのが活躍していた時代です。5歳年上だったかしら・・・
フォークソングが流行っていた時代で、彼女の歌声が大好きでした。デビュー曲は、もちろん「この広い野原いっぱい」です。
今日は、良子さんも長男についてのインタヴューに答えていましたが、音楽に限らず、生まれ持ったものは遺伝や環境によって受け継がれるものだな、と思いました。
直太朗さんは、大学までほとんど音楽と無縁の生活だったのに、大学の時に、ギターを持って井の頭公園で歌っていたとか・・・

彼のお祖父さんの久さんは、日系2世のジャズ・トランぺターでしたし、お祖母さんは元ジャズ・シンガー、そして確かかまやつひろしは、叔父さんでしたよね。

結局最後は、音楽をしている事が一番しっくりいくし、やっていて血が騒ぐのだと思います。

最近は、遺伝と環境が揃うと、特別に親が与えようとしなくても、自然にその道に収まるケースが多いと思うようになりました。
またはやらせたくない、と思ってあえてその道から遠ざけようとしても、結局はその道で落ち着いてしまうことも多いと思います。

我が息子もまさにこれに値しますが、遊びで楽しんでやっていたのが、楽しくて止められなくなって、特別な教育もしていないのに、プロになりたいと言い出して親はビックリ!というケースです。

別にきちんと専門教育を受けさせなくても、結構器用に出来るものなのだと思います。
という事は、やはり芸術家や芸人は、代々受け継がれていると、その道の大切なもの、が体に染みついているので、芸の神髄のところは、いい素質を持っていて、自分の意識のもとに真剣に研鑽を積むと、予想よりもはるかに吸収が早いのかもしれませんね。

確かに、生徒の中でもご両親が音楽家の子供ですと、教育者が言わなくてももともと感覚的に分かっていることが多く、逆にとても音楽が好きで熱心な子ですのに、音楽に携わっていない家系の子は、練習はよくしてくるので、曲はよく弾けているのですが、芸術の光が見えないというか、音色がキラキラ光らないというか、芸術家に取って大切なものが置き忘れの状態で勉強に励んでいる場合が多いように見受けられます。
それはいくら口で説明しても分かりづらい事もあるようです。

これは理屈ではなく、もう血の中に”芸術の玉”がちゃんと備わっているか、備わっていないか、なのではないかしら?

教育者としては、一に努力、二に努力、と言いたいところですが、今日の森山良子さんの話を聞いても、「やはりな〜思っていたとおりだ。」と感じてしまいました。
それでもクラシックは、いくら好きでも20歳から開始しても指の運びは悪いですし、なかなか厳しいとは思いますが・・・

でも、別にプロを目指すことが最高の目標ではなく、心から音楽を愛する人た満ち溢れる世界になって欲しいです。
美しいものを追い求めることこそ、それが何よりもその人の財産だと思います。
それは、絵や工芸であっても、ダンスや詩であってもいいのです。

世界中の人が音楽好き、そして芸術好きにありますように〜

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