昨日はアーティストはワインにならないと!っていう事でしたが、聴き手も上手か下手かによってコンサートの盛り上がり方が変わります。
得する聴き方と損する聴き方!
もちろんレベルそのものが低い演奏の場合は、必ず聞き手が”損”をしてしまいますが・・・
以前、終演後にホールの扉から出てきた2人の会話が聞えてきたのですが、「楽しかったよね〜綺麗な音だったし、私の好きなタイプだった。好きな曲沢山演奏してくれたしね〜」と満足して話していると、もう一人は、「私ってミスタッチ探すのすご〜く得意でしょう、結構あっちこっちやっていたよね。」と・・・
後者は折角お金と時間を掛けてコンサート会場までいらしても、そういう聴き方だけにしか興味がないというのは、随分かわいそうな方だと思いました。
後者はミスタッチ探しのためにコンサート会場に足を運び、指折って数えていても何か時間の無駄しているように思えます。
自分の勝手とはいえ、何か空しすぎますよね。
お客様の聴き方には点数などないですが、それでも聴き方のマナーはあると思います。
演奏中に椅子から立たないとか、飲食禁止とかとは別に、まるで宝探しみたいに、ミスタッチ探しに精を出し、間違えると「フフーン、また間違えたわね〜」などと考えているとしたら、その人に向かって、とても心貧しい聴き方をしていることを気付かせてあげたいです。
「もっと楽な気持ちで音の世界に飛び込んで楽しんだ方がご自分が幸せになれますよ〜」と耳元で囁いてあげたい気持ちになります。
「空想は知識より重要である。知識には限界がある。想像力は世界を包み込む。」
簡単に言うと、「想像力は知識よりも重要である!」って言う事ですが、誰の格言?
アインシュタインですよね。
頭脳の知識よりも想像することの方がずっと大切なんですよ。
知識が邪魔しているなら、変に知識なんてつけないで、想像だけに任せて聴いた方がずっと楽しく聴けるはずです。
演奏がはじまったと同時に、すぐ空想の世界に飛び込むこと、完全に音楽の世界に没頭すれば、それでいいのです。上手な聴き方はこれしかないです。
そうすれば、後ろからプログラムのめくる音が多少聞こえてきても、音楽に没頭していれば、気になりません。
ガサガサ音するのは迷惑ではありますが、ちょっとの音で怖い顔して、ジロジロ睨みつける人が時々見受けられますが、これも本当の聴き方を知らない不幸な方だと思ったりします。
もちろん非常識な音は皆さんの邪魔になるから困りますが、自然にちょっと椅子を座りなおしたらキーっとなってしまった、というだけで睨み、カタって音がすれば睨む、結局キョロキョロしてばかりいて、全く集中して聴いていないことが分かります。
そんなのって、本当にバカバカしいと思います。
そんなにイライラするなら、自宅のサロンで一人静かにCDを聴いていた方がいいですね。
そういう人に睨まれた子供はどういう反応を示すでしょう・・・
次回のコンサートの時に、ご両親が誘っても「行きたくない!」って言うに決まっています。
隣に座っていた怖いおじさんからちょっと椅子をカタっとしただけで睨まれたら当たり前ですよね。
そういう人がいる限り、ホールの客席全体の空気が明るく輝いた場所にはならないのです。
首をあっちに向けたりこっちに向けたりする人がいると、首を押さえてあげたくなります。
演奏前の注意事項に、携帯のマナーモードの注意と一緒に、首を動かさないこと!の注意もしたほうがいいかも知れません。
折角いい音楽聴いているのに、妨害だと思います。
没頭して聴こうと思った時に、もし周囲にあっち向いたり、こっち向いたりする人がいる時には、自分の世界にだけ気持を集中しようと思って、すぐ目を閉じます。
キョロキョロ人間は迷惑なのに、自分のことを棚に上げて、「今日はなんか前にチビちゃんがいて落ち着かなかったわ。」なんて言っていますけれど、実はその周辺の10人以上の人が、その人の首の動かしとため息にうるさくて集中することが出来なくて迷惑していたんですよね〜
自分が一番迷惑なのに、それに気付いていない人なんですから、困ります。
舞台を歩くアーティストを追うための首動かしは、もちろん温かい空気にしていますから、大歓迎です!
とにかく、コンサートでは演奏する人は”ワイン”で、お客様はワインを客席でゆっくり香りを嗅ぎなら飲んで下さればいいんです。
それをワインの中にコルクの屑が落ちていないか探したり、このワインってちょっと安物みたいね〜とか余計な事は考えずに、心行くまで楽しむ事だと思います。
アーティストは、心から歌い楽しんで弾く”ワイン”の役目、聴き手は、その演奏のワインに酔って、たまらなく心地よくなる、っていうのが音楽を楽しむ秘訣であり、理想だと思うんですが・・・
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