昨日は「おひな祭り」の話でしたので、フランスの学校の続きを少し・・・
フランスの学校は、クラスによって勉強している事が違うので、クラス替えがあると足並みを揃えるのが大変です。
クラス替えになるとあるクラスから来た子たちは「二桁の掛け算」をしていて、あるクラスから来た子たちはやっていない・・・
日本では考えられない事でしょう?
そこで、丁寧な先生にぶつかったクラスは、もう一度説明してくれますが、1人でも昨年度にやっているともう説明なしでどんどん先に進んでしまう先生が多いのです。
自力で理解していく子が優秀とされ、説明不足のためについてこれない子は「落第」が待っています。もちろん能力がついてこれない子のための「落第」制度です。
先生も理解できない子は無理に進級する必要もなく、その子なりにゆっくり上がってくればいいからあせらないで何度でもやればいいのよ、って考えているみたいです。
軽蔑したり呆れたりはしません。
”人間は1人1人みんな違うのよ”、というところから教育がスタートしているので、とてもいいと思っています。
新一年生になってはじめのクラス懇談会があった時の事です。
日本だったら、1年年上の落第生の親として参加した場合は、ちょっと恥ずかしくて隅で小さくなっていると思いますが、そのお母さまは、「私の息子は去年も1年生をしましたが、今年も1年生をもう一度しますので、もし学校で分からない事があったら1年先輩の息子に何でも聞いて下さい。
頭はよくないかもしれないけれど、人の世話は好きでいい子なんですよ。」と、クラスの懇談会で皆に息子さんの事をアピールなさったのです。
はじめての懇談会でしたので驚きました。
そうすると、周囲から「それは有難いわ。うちの子をよろしく!助かるわ〜」ってあちらこちらから声が掛かってきて、そのお母さまはクラスのスターになってしまいました。
「今はクラスの懇談会ですので、勝手な私語はお止め下さい。」と担任の先生はおっしゃるのかと思ったら、「みんな頼りましょうね〜」ですから、ちょっと面喰いました。
でも、何かとてもさわやかでいい気持ちになって帰宅した事を覚えています。
これだったら落第生も憂鬱にならずにすみますよね〜
「人種の違い」って片付ければ簡単ですが、国々で色々な考え方があり、何でも長所と短所があります。
こちらから見れば長所に見えるけれど、反対側から見れば短所に見える。
世界の人々から「これは学ぶべきだ」と思う事はどんどん吸収したいと思っています。
私は世界の人たちを観察するのが大好きです。
アメリカ、ロシア、東欧に行っても文化や歴史、そして自然の美しさだけで満足するのではなく、じっくり人を観察して、彼らの考え方とか行動かをじっくり眺める事が大好きなんです。
ホテルのレストランでの会話や行動、道路ですれ違う人、駅ホームや停留所で人間を観察するのは本当に楽しいものです。
この国の文化や伝統が自然に分かってきたりします。
ヨーロッパでもゲルマン民族とラテン民族は全く違いますし、フランスでも南仏と北仏では人間の性格や雰囲気、考え方も違います。
大陸が続いているというのに・・・???
世界の見聞を広げて、自分はどう考え、何を反省して変えていったらいいか、という事がよく分かります。
地球儀の上に立って考えると気持ちが大きくなれるような気がします。
それが各国の音楽の伝統的なところまで通じるものがあるのですから本当に面白いですね。
コメント